MINI × CITY HUNTER.
PREVIEW REPORT.
2019年1月29日(火)TOHOシネマズ新宿にて、「劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>」の完成披露試写会が開催されました。舞台挨拶では、北条司(原作者)、こだま兼嗣(総監督)、神谷明(冴羽 獠役)、伊倉一恵(槇村香役)飯豊まりえ(進藤亜衣役)、一龍斎春水(野上冴子役)、徳井義実(特別出演)が登壇される中、冴羽 獠の愛車を彷彿とさせるレッドのMINI Cooperが会場を華やかに彩りました。
試写会へはMINI オーナーズ・プログラム・メンバーの中から抽選で選ばれた5組10名様にも参加いただき、2月8日からの全国上映に先駆けてお楽しみいただきました。
また、今回北条司さんとのスペシャルインタビューが実現いたしました。本作の見どころやMINIへの思いを語られた模様をお届けいたします。
INTERVIEW.
“時代を超えてMINIは主人公・冴羽 獠の愛車として健在です”
1959年の夏。ブリティッシュ・モーター・コーポレーションからクラシックMINIが発売されコンパクトカーの世界を変えた。今年2019年はMINI誕生60周年となる特別な年。そして今、まさにMINIに関して語ってくれるに相応しい人。それは漫画家の北条司さんだ。
北条さんは1959年生まれでMINIと同じ年齢。チャレンジを忘れず、どこかマニアックでいつの時代もコアなファンを持ちつつも多くの人に愛される作品を生み出している。そんなところもMINIのコンセプトと重なる。さらに代表作『シティーハンター』の主人公・冴羽
獠の愛車は『MINIクーパー1275S』。
そして今年、『シティーハンター』がアニメーション映画『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』として20年の時を経て復活。北条さん自身は、「シティーハンター」が復活した経緯について「ファンへの恩返しのつもり。あとどれくらい若い人が見てくれるかなって、そこにすごく興味を持っています」と語る。
1985年に「週刊少年ジャンプ」で連載開始、1987年にTVアニメが放送開始され、シリーズ140話、スペシャル3作、劇場版3作を数える大ヒット作となった大人気コミック「シティーハンター」。アニメ放送30周年記念を迎え、長編アニメーション映画として今年復活することになった。
──『シティーハンター』は、前作『キャッツ♥アイ』に続く北条さんの2作目となる連載作品。そして、主人公の冴羽 獠を語る時『コルト・パイソン357』、『ワイルドターキー』とともに『ミニクーパー1275S』は、欠かせないキーワードだ。北条さんが獠の愛車としてMINIを選んだのは、どんな理由からなのだろうか。
北条 単にデザインが好きだったということもあります。最初『キャッツ♥アイ』で主人公の俊夫が乗ってたのも通称『Nコロ』という『ホンダN360』をMINIっぽく改造した車でした。マニアの間では、Nクーパーと呼ばれるらしいです。
また、シティーハンターが乗る車として、どデカイ車よりも小さい車の方が描きやすかったんです。今回の映画もそうですが、獠の事務所が新宿にあるので、狭い裏道を走り回ることになります。
また、獠と香の距離感を縮めて描きたいときも、その狭さが役立ちます。海坊主と獠が乗ってるときも、大男と巨大な男が狭い空間にギュウっといるということや、海坊主が馬鹿でかいので前の座席をガバッ外して乗り込み「俺のMINIに何するんだ!」と。二人でケンカしながら行く。挙げ句の果てには海坊主の重さでパンクして二人で引っ張って行くみたいな、コミカルなシーンができたのも、この車のおかげです(笑)。
実は最初、車の色はブリティッシュグリーンだったんですよ。だけど、アニメになった時に赤だったので、それから赤になりました。MINIがBMWになって新しくなった時も新しいMINIを漫画に出せないかと、一応画策してみたんですよ(笑)。
──そんなMINI愛が止まらない北条さん。今回の映画の中でも、クラシックな赤いMINIが、現代の新宿の街を舞台にカーチェイスする姿を見る事ができる。年齢不詳のスイーパー(始末屋)として裏社会ではNo.1の腕を持つ。抜群のルックスなのに無類の女性好き。そんな魅力的な冴羽 獠のキャラクターは実は意外なところから誕生した。
北条 元は『キャッツ♥アイ』の登場人物の中での怪盗(表の顔はルポライター)の『ねずみ』というキャラクターなんです。これが実に使い勝手が良く、僕も当時の編集担当者もとても気に入ってました。彼を主人公に読み切りとして2本描いた後に『キャッツ♥アイ』の連載が終了して、誰ともなく次は『シティーハンター』でしょということになりました。
──ルックスとスイーパーとしての腕は一流だが、美女に弱いという欠点を持つ冴羽 獠に比べて槇村香、キャッツ3姉妹を始め、この映画に登場する女性陣たちは実に完璧。全ての女性がルックスはもちろん頭も運動神経も抜群。そんなキャラクター設定は意図的なのか?
北条 元々、1985年からの少年ジャンプの連載だったので。この頃のジャンプを読む年齢の男の子たちって、自分のことを欠点だらけで冴えないって思ってるんですよ。勉強できなし、スポーツもできないし。そんな男の子から見ると女子は完璧に見える。若い頃は女性の欠点が見えずらいんですよね。そういう男の子が世界を見てる視線で描くことによって、そこに親近感を持ってくれれば良いなと思ってました。
──今回の映画では、なんとキャッツ3姉妹が登場。しかも、実は海坊主が働く喫茶店のオーナーだったという設定。その設定は北条さん自身のアイディアだという。そんな風に常に新しいアイディアを生み出し、作品に反映してゆく北条さん自身の次にやりたい事を聞いたら、意外な答えが返ってきた。
北条 ひとりで作品を描いてみたいですね。漫画は当然締め切りがありますから多くのアシスタントさんたちや、多くの人たちが関わり作品ができてゆく。でも、いつかは誰の手も借りずにひとりだけで、作品を作ってみたいです。
──北条さんのこんなアウトローとも言える発言がコアなファンのハートを掴んでいる秘密なのかもしれない。しかし、今回の映画に関しては、当然多くの人に見て欲しいと思っているそうだ。
北条 表現方法や技術は変わりましたが、根本的には20年前と何も変わらない作品です。多分、見に行く人は当時のファンの皆さんが中心になってくると思います。でも、僕は若い人たちにこの映画を見てもらって感想を聞きたいなと思ってます。だからシティーハンターのファンの人はお子さんはもちろん、お孫さんも連れて見に行ってください(笑)。
『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』
北条司原作による伝説のアニメ映画「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」の完成披露舞台挨拶が、1月29日に東京・TOHOシネマズ新宿にて開催された。声優陣は冴羽 獠役の神谷 明、槇村 香役の伊倉一恵をはじめ、オリジナルキャストが再結集。獠に依頼をする美人モデルに声優初挑戦の飯豊まりえ、気鋭のIT企業経営者、御国真司役に山寺宏一、また特別出演としてチュートリアル・徳井義実がゲスト参加。 スタッフは初代監督で今回総監督を務めるこだま兼嗣のもと、脚本の加藤陽一が登場。
公式サイトはこちら北条 司(ほうじょうつかさ 1959年 福岡県出身)
1980年に「週刊少年ジャンプ」に掲載された『おれは男だ!』でデビュー。翌1981年より『キャッツ♥アイ』を連載スタートする。1985年より本アニメの原作である『シティーハンター』を執筆し、多くのファンを魅了する。2001年より「週刊コミックバンチ」「月刊コミックゼノン」にて『エンジェル・ハート』を長期連載し、シティーハンターのもう一つの物語を描く。